2006年01月21日

ホリエモンの錬金術

ライブドアが大変なことになっているようです。

自分の身の回りがばたばたしていたので、更新が遅れていましたが、世間ではもっと大きな動きがあるようですね。

時事問題にあまり首を突っ込むとあとからみて、なんて勘違いもはなはだしいことを書いていたんだろうって思うに違いないので、書くことをためらっていましたが、私の大好きなブログ「アフィリエイトは儲かんないってば」の管理人さんがブログの更新をやめるといわれています。
私が記事にすることで何かの足しになるかどうかもわかりませんが、とりあえず記事にしてみます。ライブドアの今回の事件は、大きな波紋をよんでいます。

今までのライブドアのやり方は、儲けることが第一で、社会に何を提供するか、どういう社会を作りたいのかといった理念が見えて来ませんでした。ソフトバンクの孫さんやマイクロソフトの成毛さんや古川さん、アスキーの西さんたちのような、IT黎明期から活躍されていた人たち、これから来るIT社会を予想して子供のようにわくわくして、社会を変えていこうと活躍されていた人たちのようなビジョンがみえてこなかったように思います。
こういった人たちも、もちろん、いろんな手段を通じて、経済活動をされています(いました)が、それは彼らの大きなビジョンを実現するための手段としての経済活動だったように見えます。ソフトバンクなんて今期の上半期に4年ぶりにやっと黒字に転換したばかりです。それまでは赤字を垂れ流しながら、ひたすら日本を変えるといきまいてADSLをはじめとした事業をやっていらっしゃいました。まさに拍手喝さいです。

ところがライブドアの場合は、会社を大きくして儲けること、時価総額を大きくして、それによって得た利益で、すでに出来上がっている実態経済を買収していくということばかりが目に付いていました。しかも企業価値と会社の時価総額を常に混同して発言していらっしゃいます。株式市場というのは、時価総額でその会社が買えてしまうという現象が成り立ちますので、混同するのも無理はありませんけどね。そして、会社の時価総額こそが、ライブドアの企業の目標であると言わんばかりです。もちろん、わかっててやってらっしゃったんでしょうけどね。

手段が先に来て、目標やビジョンが見えてきませんでした。ちょっとうがった見方ですが、ちょうど株式のデイトレーダーの方たちが、株価の動きにいろんな先行指標があるのを見抜いて、それによって、日になんども売買を繰り返し、利益を上げていくという構図に奇妙に重なって見えます。これは単なるマネーゲームでしょう。株式市場は、上場している会社そのものが成長して、企業価値が上がり、それによって時価総額が大きくならない限り、いつもゼロサム(参加しているすべての人の利益と損失の全部を足し算するとゼロになるということ、だれかが利益をあげれば、誰かは損をするということ)です。ゼロサムはギャンブルの特徴で、実際には、ゼロサムの中に胴元の利益が含まれていますから、利益を上げるのはほんの一握りの人たちで、ほとんどの人は損をしているだけでしょうね。

企業価値をあげるためのもっとも正当な手段は、会社が提供しているサービスや商品が、社会の役にたつことによって、消費者や他の会社など、その会社のお客様から、その会社の存在価値が認められ、利益となって、その会社に蓄積されていくことです。そしてそれが、証券市場にも受け入れられると、将来の企業価値を予測するという形で多くの投資家に株式が買われることで、株式の時価総額の増大となって、反映されていきます。本来の意味での企業価値をあげていくということに参加するための投資は短期投資では不可能で、ましてやデイトレードなどは論外です。(デイトレードが悪いと言っているのではありません。ギャンブルや単なるお金儲けとしては実用的な手段だと思いますよ)

ライブドアの場合は時価総額を巧妙に吊り上げて次々と買収していく企業同士の相互作用(シナジー)が見えてきませんでした。何のためにその会社を買ったのか、ただ、儲かりそうだから、すでに儲かっているから買ったとしか見えません。その中で、ライブドアブログだけは、成長しているように見えますが、利益貢献をするほどのサイズではないようです。

ライブドアの錬金術については、下記のブログが詳しいので、リンクを貼らせていただきます。ブログの管理人さんは、会計の専門家ですが、非常にわかりやすく解説されています。逆に、こんな簡単な事をなぜ今までだれも表ざたにしなかったのかが不思議なくらいです。

「ホリエモンの錬金術」ミラーサイト
(本サイトは、現在アクセス過多でつながらないため、このミラーサイトに転送されるようです)

企業の究極の目的は、ゴーイングコンサーンだと言われて久しいと思います。経営の神様といわれるドラッカー先生の言葉で、「制度維持説」と訳されているようです。
会社には、社会的責任があります。多くのステークホルダー(利害関係者)がいます。その会社に投資している人たち、その会社のサービスを受ける人たち(お客様)、その会社をお客様として、商売の相手として成り立っている企業、その会社の従業員とその家族、多くの人たちの生活を支えています。だからこそ、企業は、生き残ることが最大の目的であるといわれるようになりました。これがゴーイングコンサーンだそうです。

破綻してしまったら、それらのステークホルダーのほとんどの人たちが大きな痛手を被ります。生き残るためには、社会に認められなければなりません。不正は社会から葬り去られる最大の要因です。これは負の要因を取り除かなければならないという意味での必要条件です。もちろん、利益を上げていること、あるいは将来あげる見込みがあることも、必要条件の重要な一部分です。もっとも今回の件が一方的な不正と言われるのは、生贄にされただけという見方もあるようですけどね。

負の要因を取り除くということと、それと同時に必要なのが、その会社がなんのためにどういう理念で経営されているかというのが、積極的な企業の存在意義になります。何を社会に提供していくかということが求められて、それを社会が認めてはじめてその会社が存続できます。これは正の意味での要因であり、十分条件といってもよいかも知れません。

数学的な意味での十分条件は、必要条件を包含していますが、この場合は、十分条件だけでは成り立ちません。立派な理念があって、社会に貢献していても、将来にわたって、利益がなければ生き残ることはできませんよね。

今回は、ライブドアグループは、もしかすると、この負の要因で経済社会から退場を余儀なくされるかも知れません。そうすると責任の所在が問題になります。いったい何人の従業員やその家族、投資家の人たちが影響を受けるのか計り知れないですね。そしてブログユーザーもその端くれかも知れません。

企業のトップとナンバー2の差は、ナンバー2と新入社員の差よりも大きいと聞きます。それくらいトップの力は強大だということです。ライブドアに関して言うとすべての責任は堀江社長が取られるのが筋でしょう。今回の件で、ホリエモンさんが、つぶれてしまうようなら、それだけの人だったということだと思います。でも、一度も失敗しないで、偉人になった人の伝記って正直、記憶にありません。それほどの才能の人なら、また、真に大志のある人なら、今回、仮に挫折したにしても、必ずまた桧舞台に登場してこられるでしょう。

堀江社長を個人的に応援しているわけでも、非難しているわけでもありませんが(今回の件では非難していますけど)自分の身内でもない人に対して、自分を重ね合わせるよりは、一歩引いてその人がどういう風に変わっていくかを見続けていくというのでもよいような気がします。
感受性のとても強い、だからこそ、あれだけのブログの文章を書き続けてこられた、「アフィリエイトは儲かんないってば」のブログの管理人さん afiliate さんが、しばらく更新をおやめになるというのは残念でなりません。実は、これが、私にとって、今回の、ライブドア騒ぎを、すべてが他山の石であったものが、急に身近な現象として、捕らえるきっかけになりました。

最後に、この記事が、「アフィリエイトは儲かんないってば」さんのブログの鎮魂歌にならないことを祈ってやみません。「アフィリエイトは儲かんないってば」さんが復活するまで私もブログの更新をやめようかしら。(これって脅迫ですか?笑)

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posted by あがさ at 19:29 | Comment(14) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
お久しぶりです。
私は同じ(?)技術者として思うのですが、インタビューとか雑誌の記事等をみていても、彼自身は儲けを考えてなかったんじゃないかなぁ。と。
テレビや新聞の記事を見ていて思ったんですけれど、色々批判している方達の中に技術的な専門家がいなかったのが気になります。
うーん。うまく説明できませんし、かっこつけるつもりはありませんが、彼をはじめIT企業の社長ってなにかしら夢を抱いている気がしてなりません。
たとえば、ライブドアの場合は無線LANの全国普及でしょうね。しかも、かなり激安価格。
これを成功させるには、膨大なお金が必要です。プロ野球に参加したり、色々な売名行為(?)も、その資金集めって私は思っていましたけれど。
だから、なんかナマイキだけど、まぁ、頭はいいな。みたいな・・・。
無料・有料ブログ、ライブドアデパート等々って赤字覚悟でやってるし(というか赤字でしょうね)、私は個人的に目先の儲けは彼は考えてなかったと思ってます。
が、彼の周りの人間が・・・。
技術者(もしくは技術者出身)ってそんなもんだと思います。
Posted by カンパネルラ at 2006年01月22日 02:44
どちらにしろ、今回のことでアフィリエイトはじめITの世界が縮小しないことを祈るのみです。

私の場合は、まず私自身の技術の向上があるので、儲けは2の次ですが・・・。
(^ ^;ゝ
Posted by カンパネルラ at 2006年01月22日 02:51
あがささま。
とても深い、意味のある記事をありがとうございます。そして、当サイトのことを取り上げて頂きありがとうございます。

地味な、ごく普通の会社の社長は、「お客さまのため、会社の従業員のため、そして、その家族のためがんばっています」ということを普通に言っていると思います。
普段は聞き流してしまいそうな、その「普通の言葉」に、今はすごく価値を感じます。


今回の件、少々、凹みました。
しばらく、永眠しない程度にお休みさせて頂きたいと思います(笑)。

あがささまには、今回だけでなく、たくさん記事で取り上げていただました。本当にありがとうございます。また、あがささまの記事を読んで面白くて思わず飛びつき、私が記事に取り上げさせていただいたりしたことも多かったですね。
そういう話題のやりとりが、本当に楽しかったです。

これからも休んでいる私が、休んでいる事を忘れて、思わず飛びついちゃうような記事を書いて下さる事、期待しています。

レクイエムで更新やめちゃ、ダメですよ(笑)。
Posted by afiliate at 2006年01月22日 10:38
はじめまして、トマトと申します。

ちょくちょくお邪魔させてもらっています。
とりあえず、挨拶だけでもしておきたく思い、投稿させていただきました。

ということで以後よろしゅう。

 トマト@インフォ・リサーチャー
Posted by トマト at 2006年01月22日 17:49
カンパネルラさん、こんばんは。

カンパネルラさんのおっしゃっていることはよくわかります。本当は、堀江社長もそういう人なのかも知れません。

でも、企業のトップは、夢を持っているだけでもだめなんだと思います。仮に、ライブドアでは、No2の宮内さんが、大きな権限を持っていたとしても、それでも、堀江社長の責任になってしまうところが企業社会のつらいところでしょうね。
Posted by あがさ at 2006年01月22日 23:48
afiliate さま、こんばんは。

必ず帰ってきてくださいね。
これからもアフィリエイトはどんどん裾野が広がっていきます。

どれが正しい数字がわからないのですが、昨年度のネット取引は、実に4兆6千億円に達するという話も見たことがあります。
今、60万人とも100万人とも言われているアフィリエイトをする人たちの裾野はもっともっと広がっていきます。
そういうときにこそ、目先のテクニックではなくて、アフィリエイトってこういうふうに考えてやると面白い、こんなことをすると痛い目にあいますよって言う、afiliateさんの記事はものすごくためになります。
入門者ばかりでなく、鋭い切り込みや、新しい情報の発信源としても、いろんな方々に意味のあるブログだと思います。でも、SEO や、ASP なんて本当はどうでもいいんです。そういうことを紹介しているサイトはいくらでもありますし、技術の進歩も激しいので、あっという間に昨日の常識は今日の非常識になりかねません。
個々の記事のトピックはさることながら、背景にいつも afiliate さんの、考え方が伝わってきて、それが読んでいる人たちには本当に役立ったのだと思います。

これからアフィリエイトをはじめる人たちには、どうしても一度は読んでいただきたいブログです。

実は、私も、いろいろあって、自分自身でも自信喪失でとても今記事が書ける状態ではないんです。昨日は無理して書きましたけど。
私も少しだけお休みするかも知れません。

今回の afiliate さんの件とは直接関係はありませんのでご心配なく。
でも、必ず帰ってきてくださいね。一ファンとして、ずっと待っています。
Posted by あがさ at 2006年01月23日 00:03
トマトさん、こんばんは。

こんなブログに来ていただいてありがとうございます。何にもありませんけど、よかったら、また遊びに来てください。
Posted by あがさ at 2006年01月23日 00:05
 はじめまして。このブログからリンクが貼られている「ホリエモンの錬金術」を読ませてもらいました。有益な情報へのリンクありがとうございます。感謝します。
 残念ですが、これがオン・ザ・エッジという企業が上場したときからの、この企業の実態のようですね。今は本当にショックです。英雄視していた人物の実態がこういうことだったとは、本当に残念で仕方がありません。
Posted by 通りすがり at 2006年01月23日 10:51
こんばんわ。
騒がれてますね。
企業のトップですから知りませんでは
すまないとは思いますが
結果がでるまでは静観ですね。
今回に限らずこの手の話がでたときのマスコミなどメディアの過剰な報道のほうがどうかと思います。
Posted by ひま太郎 at 2006年01月23日 21:08
こんにちは〜
バタバタしていてご無沙汰しちゃって・・・
どうなるのでしょうかね?
私はライブドアのブログを使っているので、サービスがなくなったらと・・・(涙)
記事参考になりました。<(_ _)>
また来ますp〜
Posted by のぞみ at 2006年01月24日 15:14
こんばんわ。
昨日ホリエモンさんのブログを覗いたら辛口のコメントがいっぱいでした。
一個人事業主から見ると反則すれすれの技は必要かなって思ってますが、ちょっとねぇって感じです。
Posted by 夢 at 2006年01月24日 22:40
ひま太郎さん、こんばんは。

コメント遅くなりました。
とうとう逮捕されてしまいましたね。
本当にマスコミは手のひらを返したみたいに過激な報道ばかりです。
見ているこちらのほうが恥ずかしくなるくらいですね。
Posted by あがさ at 2006年01月25日 23:49
のぞみさん、こんばんは。

私もばたばたしててなかなかいけなくてごめんなさい。

ライブドア本体としては、力を入れているところだし、今度は弥生会計をはじめとする弥生シリーズを立ち上げた熊谷さんが代表になられたようなので、ブログをやめられることはないと思いますよ。
Posted by あがさ at 2006年01月25日 23:57
夢さん、こんばんは。

一事業主というのが、個人事業の場合と、上場企業の差ですよね。上場企業の社長は、社会的責任がそれだけ重いという認識があまいと、とたんに標的にされるのでしょうね。
個人事業の場合は、税務署にいって相談すると、こんなに税金払うものではないよといって、節税の仕方を教えてもらったりするらしいですよ(知人の話です)
Posted by あがさ at 2006年01月26日 00:00
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